「にじいろちらしずし」では、ジェンダーとセクシャリティーというメインのモチーフに、「消費」というサブ・モチーフを絡ませました。それが腑に落ちた方にも腑に落ちなかった方にも、ぜひお勧めしたいマンガがあります。
男でも女でもなく、生殖能力を持たない第三の性。
それに「無性人間」というレッテルを貼り、大量生産・大量消費する世界。
そして、人間の究極の「大量消費」としての戦争。
弱者が強者になったとたんに、かつての強者への迫害を始めるという人間性の皮肉。
手塚治虫作品の中でも超弩級の問題作ですね。セクシャル・マイノリティー、資本主義、戦争、迫害。一つだけ取り出しても延々作品を描き続けられそうなモチーフを一つの作品にギュギュッと詰め込んでいる。
何というか、読むのがつらいくらいヘビーな内容なのに、わざとコミカルなタッチで描いてる。ああもう、何て心憎いんだ!
セクシャル・マイノリティーの問題に関して少し補足すると、この作品の主要なモチーフは、男でも女でもない第三の性なんだけど、第三の性を持つ者は男としてふるまうことも女としてふるまうこともできるとされています。
『リボンの騎士』のサファイヤが身も心も「女」というカテゴリーにおおむね収まっているのに、ふるまいにおいて性別を越境することを強いられる存在であるのに対して、この作品の第三の性は身も心も越境的であり、ある意味自由な存在なんだけど、後天的に性別を固定される。非常に好対照だと思うわけです。
『リボンの騎士』の連載開始が1953年で、『人間ども集まれ!』は1967年。『リボンの騎士』はよく「宝塚歌劇の影響下に描かれた」と言われますが、むしろ手塚治虫は性の越境(トランス)に一貫して関心を持っていて、だから宝塚にもひかれたし、『リボンの騎士』も描き『人間ども集まれ!』も描いた、っていうふうに考える方がベターなのかもしれません。
それはともかく、男でも女でもなく生殖能力も持たないということは、「性別から自由」と言ってもよいはずなのですが、そのような「自由」が、性別を固定的に持っている(不自由なはずの)人々の消費対象にされるという、すさまじい不自由に転化してしまうというのは、非常に示唆的だと思うのです。
2013年10月08日
2013年09月03日
「にじいろちらしずし」公演終了
まだ「終わった」という実感が持てなくて、明日にはまた七寺共同スタジオに10時集合するような気分でいます。
正直、直前までかなりの不安がありましたが、小屋入りしてから、出演者の身体が上演空間になじんで行き、見る見る良くなって行きました。ああいう現場にいられたのは、とても幸福なことだと思います。
当初から「自分が関わるからには自分にとって満足できるものにしなければいけない」と思っていましたし、「刈馬さん・珠実さんがかかわってくれるのだから、きっといい物ができるだろう」とも思っていましたが、実際にできあがったものは、私の予想を超える物になっていました。
刈馬さんの独創的な演出ビジョンと役者への繊細な接し方、珠実さんの身体と空間と意識の関わりへのこだわり、TACOメンバー吉川・山内・辻村の見事なアシスト、裏方に回った学生たちの熱心な作業、そして、出演した学生たちの潜在能力の高さと粘りが、あれだけの物を生み出したのだと思います。
多くの方から「所詮学生のやる素人芝居と思っていたが、大間違いだった」「これほどのものが無料だなんて、おかしい」という意味のことを言われたのは、無上の喜びです。
今はものすごく消耗ていますので、しばらくは演劇には携わりたくないと思う反面、またこういう充実した現場にいたいとも思っています。
正直、直前までかなりの不安がありましたが、小屋入りしてから、出演者の身体が上演空間になじんで行き、見る見る良くなって行きました。ああいう現場にいられたのは、とても幸福なことだと思います。
当初から「自分が関わるからには自分にとって満足できるものにしなければいけない」と思っていましたし、「刈馬さん・珠実さんがかかわってくれるのだから、きっといい物ができるだろう」とも思っていましたが、実際にできあがったものは、私の予想を超える物になっていました。
刈馬さんの独創的な演出ビジョンと役者への繊細な接し方、珠実さんの身体と空間と意識の関わりへのこだわり、TACOメンバー吉川・山内・辻村の見事なアシスト、裏方に回った学生たちの熱心な作業、そして、出演した学生たちの潜在能力の高さと粘りが、あれだけの物を生み出したのだと思います。
多くの方から「所詮学生のやる素人芝居と思っていたが、大間違いだった」「これほどのものが無料だなんて、おかしい」という意味のことを言われたのは、無上の喜びです。
今はものすごく消耗ていますので、しばらくは演劇には携わりたくないと思う反面、またこういう充実した現場にいたいとも思っています。
2013年08月30日
直前!
いよいよ明日からです、にじいろちらしずしの本番。
公演準備に追われ、このブログも10日近く更新が止まっていましたが、その準備も明日の午前中を残すのみとなりました。
今日の夜、ゲネプロ(本番と全く同じように行うリハーサル)をやりましたが、かなり良い感じになってきました。この数日の間に猛烈な加速度がついて良くなり続けているのです。
明日からが楽しみですが、でも、だんだん緊張してきました。いや、私自身が出演するとかではないんですが。しかし、やはり成果を世に問うというのは、緊張するものですね。
公演準備に追われ、このブログも10日近く更新が止まっていましたが、その準備も明日の午前中を残すのみとなりました。
今日の夜、ゲネプロ(本番と全く同じように行うリハーサル)をやりましたが、かなり良い感じになってきました。この数日の間に猛烈な加速度がついて良くなり続けているのです。
明日からが楽しみですが、でも、だんだん緊張してきました。いや、私自身が出演するとかではないんですが。しかし、やはり成果を世に問うというのは、緊張するものですね。
2013年08月21日
2013年07月04日
「にじいろちらしずし」ブログ更新&プチ更新 4
記事を載せました。
記事に写真を7つ貼りました。
“物は言いよう”ということ その2
http://rchirashi.seesaa.net/article/368235669.html
牧村朝子さんとお会いしてきました。
http://rchirashi.seesaa.net/article/367971061.html
老婆心、猛ダッシュの巻
http://rchirashi.seesaa.net/article/367706687.html
http://rchirashi.seesaa.net/article/368235669.html
牧村朝子さんとお会いしてきました。
http://rchirashi.seesaa.net/article/367971061.html
老婆心、猛ダッシュの巻
http://rchirashi.seesaa.net/article/367706687.html
記事に写真を7つ貼りました。