2011年03月13日

決断と未練

 今日は東京に能を観に行く予定だったが取りやめました。

 公演自体は行われるが、余震の恐れが一カ月程度続くという気象庁発表、関東圏の交通網がまだ完全には復旧していない状況、プロ野球のオープン戦やゴルフの大会が中止となったこと等を踏まえた個人的「総合判断」です。

 さすがに生命の危険に直面するようなことは無いと思いますが、明日は出勤日なんで、万が一帰れなくなったら困るんですよね……

 前から楽しみにしていた公演なんで残念、っていうか延期にしてほしかったというのが正直な所ですが、この日のためにしっかり準備してきた主催者なら当然やりたいと思うでしょう。私も演劇に携わる身ですから、その気持ちもわかりますからね……まあ、仕方ないです……

 家で仕事しながらテレビをずっとつけていますが、今の所、関東方面の地震情報はありません。これなら観に行けば良かったかな、と思わないでもありませんが、思ったって仕方ありません。関東方面の皆様にはご無事で何よりです。

 さて、ここからは昨日に引き続き、ニュースやツイッターで得られた情報について、思うことをつらつら書いていきます。

 被害らしい被害を受けていない地域には、被災地のために何かしなければと思い詰めている人がたくさんいらっしゃるようで、節電や献血に関するツイートが飛び交っています。ま、それ自体は良いことですが、ちょっと思い詰め過ぎじゃないかと思えるツイートもままあります。被災地に少しでもたくさんの電気を送るためにと夜間に暖房も止め電灯も消しているだとか、一刻も早く献血しなければとあちこちの献血センターに電話かけまくったりとか……

 被災地と同じ電力会社から供給を受けているなら節電した分がそのまま転用可能になりますが、西日本から東日本に送電するには変電が必要なので節電の効果はそれほど無いのです。中部電力や関西電力から節電の呼びかけがないのは、そういう事情があるからなんですね。献血された血液は長期保存できないし、日本赤十字の発表によれば、輸血用血液がただちに不足することはないそうです。現段階での献血殺到は無駄になる可能性が高いうえに、献血センターにはかえって迷惑だったりするのです。こうしたことは、関係する法人の正式な見解を確認すれば、簡単にわかることなのです。

 そういう意味では、上記のようなムヤミヤタラな「善行」は本当に相手のためになっているかという客観性そっちのけで「自分もこれだけしているぞ」という自己満足を追求していると言わざるを得ません。献身とか自己犠牲とかいうものに酔っているというか。

 中には「今すぐにボランティアで被災地に乗り込みたい」みたいなことを書いている人もいますが、それはもう絶対ダメです。救援に駆けつけた警官や自衛隊からも行方不明者が出ているのですよ。ライフラインすら機能不全になっているような所に素人が行って何ができるものですか。足手まといになること必定。加えて自分も二次災害に遭ったりしたら、目も当てられません。

 人間は強い緊張にさらされると、それに耐えるべく気持ちを強く持つようになりますが、緊張が弱まっていく時に、気持ちを切り替えられず、しばしば空回りするわけです。自分のためと思っているか、他人のためと思っているかにかかわらず、ただ情緒にのみ任せて行動する状態は半ばパニックになっているようなもので、きちんと理性的客観的な自己検証をしないと、かなり危ういです。

 昨日の書き込みで「今すぐの寄付行為は弊害がある」とするツイートについて、それはないだろうと突っ込みを入れましたが、どうやら「弊害」とは言わないまでも、思ったのと違う結果になる可能性はあるようです。

 というのは、コンビニの店頭の募金の場合、まだニュージーランド地震の寄付金受付が続いていて、太平洋沖地震のためにお金を入れたつもりが、ほかのことに入ってしまったということがありえるからです。もちろん、ニュージーランド地震にも、他のいろいろなことにも支援は必要なわけで、お金が入って悪いことはありません。ただ、太平洋沖地震の被災者への寄付ということにこだわるなら、きちんと確認してお金を入れる必要があるということです。

 あと、詐欺行為の一種としてインチキな募金サイトを立ち上げるという手口もありえるので、それにだまされない用心も必要です。(詐欺にだまされるのも「弊害」とは言わないと思いますが。)新聞・テレビ、あるいは日本赤十字社のサイトに掲示される公式な情報に従って間違いのない所に送金しましょう。

 ツイッターやブログで、事業仕分けでの蓮舫大臣(現)の「200年に1度の災害に備える必要はない」発言を持ち出して「こいつが災害対策費を削って被害を大きくした」と非難する人たちがおおぜいいるらしい。そういう発言している人たちの中に、あの時点で「200年に1度の災害に備える必要が絶対にある」と明言できた者がどれだけいるんだろうか。

 こういう災害に襲われ、これだけの惨事となった今なら、誰にでも言えるだろう。だが、それを今言って何になる?結果論で人を責めるのはいとも簡単だ、ってことを証明するだけのことじゃないか。

 「200年に1度」に備えても「500年に1度」が来たら一たまりもない。「500年に1度」に備えても「1000年に1度」が来たら一たまりもない。予算は無限ではないのだから、どこかで止めるしかない。政治判断とはそういうものだ。完璧な防災はあり得ないし、絶対に正しい政治判断もあり得ない。そういうことをきちんとわかって批判するんじゃなければ、単なるヒステリーだ。

 「200年に1度の災害に備える必要はない」という政治判断の直後にたまたま「200年に1度」が来てしまったら、その政治判断は間違っていたとされ、反対にその判断の後ずっと「200年に1度」が来なければ、その政治判断は正しかったことになる。そんなことでは日本の政治はずっと幼稚なままだろうなあ。

 今回の大地震報道に接して、慌てて防災グッズを買い込もうとした人は多いはず。実は私もその一人なのですが、通販サイトにアクセスしてみたら、生産拠点の損壊・被災地への提供・注文の殺到等により品切・品薄になっていました。気象庁によれば今回の地震が東海地震へと連鎖する可能性は無いそうですから、どんなグッズが必要か、じっくり考えてから買うことにします……とか言って、結局また忘れてしまうかもしれない。喉元過ぎるとケロッと忘れちゃうタイプなんですよね、私って……

 ニュースではだんだんと被災者の生々しい証言が流されるようになってきた。その中でも特に印象的だったのは、両親が鉄筋コンクリートの家の2階で亡くなった方の談話。「両親はチリ地震の津波で家を流されたので、絶対に流されないようにと鉄筋コンクリートの家を建てました。確かに流されはしませんでしたが、波が2階まで押し寄せたので何ともならなかったみたいです」と。多くの人々がめいめいベストと思えることをしたに違いない。だが、そのかいなく不幸を回避できなかった人も少なくない。この現実を前に私は言葉を失う。

posted by TACO at 15:37 | 愛知 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 緊急 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月12日

慌ただしき胸のために

 昔は大地震をきっかけに終末思想が広がったというが、すごくリアルにわかる。世界が滅びてしまう!って思うよね、これだけのことが起こったら……テレビで繰り返し映し出される被害の有様に胸が痛くなる。

 だけど人々が幾度となくそれを乗り越えてきたから今がある。深刻な被害が次々報じられる中にも、乗り越えるために頑張る人々の姿が見て取れる。胸が熱くなる光景だ。

 こういう時の胸は痛くなったり熱くなったり、とても慌ただしい。

 以下は、ツイッターで拾った、「今からできる乗り越え参加」情報。

 節電。すでに報道されているとおり関東・東北は停電が多発していて、その上コンビナート火災や原発のトラブルの影響で停電の更なる拡大も予想されます。東京電力ではすでに大口顧客に節電を要請、一般家庭にも節電を呼びかけています。ツイート情報では、中部電力・関西電力は関東地方に送電を始めているのだそうです。これによれば、中部圏・関西圏での節電も関東圏への支援になります。(9:20現在、中部電力・関西電力のHPではこの情報は確認できませんでしたが、いずれにせよ節電自体、自分のためにもなることなので、とりあえず最大限努力する所存です。)

 献血。ものすごくおおぜいの方が重傷を負っていますから、ものすごくたくさんの輸血が必要になっています。しかし、だからと言って一刻を争う勢いで献血会場に駆けつけても長蛇の列を作って会場スタッフに余計な手間をかけることになりかねません。(現に日本赤十字社のHPはアクセスが殺到してパンクしているのかアクセスできなくなっているようです。)ツイート情報では、輸血用血液には使用期限があり、今回は長期間不足することが予想されるので、慌てずに不足状況を見て献血するのがベターとのことです。

 以下は、ニュースやツイッターを見て思うこと。

 災害対策は難しいですね。ニュースによれば、津波が来ることを知っても「立派な防波堤があるから大丈夫だろう」と思って様子を見ていて、そしたらその立派な堤防が一瞬で決壊して家ごと押し流されてしまったという人も結構いるようです。もしも立派な堤防がなければ、その人たちもたぶん避難していたでしょう。何とも皮肉なことです。もちろん堤防は必要です。だけど、堤防の強度を無限に引き上げることなどできっこありません。そう考えると、「完璧な災害対策なんて有り得ない」ってことを周知徹底するのが一番の災害対策かもしれません。

 惨事は人の理性を麻痺させますね。ツイッター情報では、アメリカから原子炉の冷却材を提供すると言ってきたのを日本政府が断ったそうで、それにマジキレしている人たちがいるらしいです。福島第一、第二原発で使用している冷却材が軽水であるのに対して、アメリカの冷却材は重水等、日本の原子炉には使えないものがほとんどなのだそうです。そんなこと一般人にはわかるわけない!とか言う人もいることでしょう。だけど、この緊急時に本当に必要な物なら断るはずはないのです。そんな当たり前のことは一般人でもわかるはず。それがわからないのは、もうパニックに陥っている証拠です。

 パニックと言えば、災害に遭って避難所生活を強いられている人が、巡回に来た役場の職員に「どうして食べ物をもっと持ってこないんだ」と食ってかかったり、撮影に来たテレビ・クルーに「なんで俺たちを撮るんだよ」と詰め寄ったりという光景を昔はニュースで時折見かけたものです。今回は今の所そういう光景にはお目にかかっていません。できることなら、このままお目にかからずにいたいものです。

 役場の職員だって不眠不休で対策に追われているのです。食べ物だってたっぷり持って行きたいに決まっています。持って行けるものなら持って行くに決まっています。持って行かないのは持って行けないからです。当たり前です。

 テレビ・クルーだって不眠不休で情報を送り続けているのです。彼らが被害の様子、避難者の姿を報道するから、たくさんの寄付や献血が集まるのです。それがどれだけ救いになるか、言うまでもないことでしょう。

 普通なら簡単にわかることが極限状況に置かれるとわからなくなる。それは仕方のないことなのでしょう。私も絶対にそうならないと言い切る自信はありません。でも、やっぱり理不尽な怒りを他人にぶつけて自分のストレスを発散するような言動を見るのは物悲しいものです。

 ツイッターでは献血を呼びかけるツイート、それに応じるツイートが多数飛び交っているようです。この分だと献血会場は殺到する善男善女でパンク状態になるんじゃないでしょうか?テレビとかで献血会場の状況とかも定期的にレポートしてくれるともっと良いと思うのですが……

 私の場合、献血は高脂血症でアウトかも……。幸い屋根にソーラーのっけているから、電力会社に電気売って、電気の供給には貢献しようと思います、お天気しだいですけどね……っていうか、そもそもソーラーは昼間しか発電できないから、肝腎な夜間にお役に立てませんね……

 電力と言えば、原発に批判的であること自体は一向に構わないけど、こういう時に「それ見たことか」と言わんばかりに反原発発言まきちらして不安を煽るような人には憤りを禁じ得ません。

 どちらもツイッター情報。「阪神大震災の時、犯罪が頻発したと言われていますが、事件の話はほとんどがデマでした。そしてデマによるストレスの方が有害です。」「阪神大震災で最も悲惨な災害は治安悪化による人災です。大切な人を守ってください。一人でいる人は、最寄りの知り合いと小さくても良いのでコミュニティを作りましょう。」うーん、どちらもそれぞれに真実を語っているのかもしれませんが、両方を同時に信じることはできません。自分がもし被災地にいるとしたら……前者を信じたいのは山々ですが、とりあえず後者に従っておく方が安全な選択ではないかと思います。もちろん疑心暗鬼でパニックにならないように自制心を保ちながらじゃないといけませんけど。

 ツイッターで「今すぐ募金するのにも弊害がある」と書いてる人もいるようです。一体どんな弊害があるって言うんでしょうね?大量の募金が殺到して口座がパンクするとか?(笑)コンビニのレジ横の小箱なら満杯になるかもしれないけど、なったらなったで何とかなりそうですよね。新聞社やテレビ局の開設した口座なら電気で情報送るだけだし……それで停電に拍車がかかるとか?(笑)ま、このツイートは本気にしなくて良いでしょう。

 56ケ国から支援表明とのニュース。その中にはロシア・韓国・中国と、日本と領土問題でモメてる国も全部含まれています。わだかまりはあってもイザって時は助け合う。良いことです。だけど、もしも北朝鮮から支援表明があったら、日本政府はどうするんでしょう?素直に「ありがとう」でいいのか、「まず拉致被害者を返せ」と言うべきか、難しい対応を迫られるでしょうね……

 ニュージーランドも総勢54名の災害救助隊を派遣してくれるそうです。ニュージーランドに今そんな余裕は無いだろうと思ったら、日本にはニュージーランド国籍保有者が5000人以上いて安否確認が急務という事情があるんだとか。ロシア・韓国・中国の支援にも同様の背景がありそうな気がしますが、それもまた善し。きっとお互い様でしょう。

 政治スレにはロシア・韓国・中国の支援をあざける書き込みが散見します。「うかうか受け入れたら進駐される」とか書いてる馬さん鹿さんもいます。政治的に右方向しか見えない眼差しにかかると、何でもかんでもこういうふうに歪んで見えるんですね……

 心配された原発トラブルはどうやら最悪の事態に直結するようなものではなかったようで、とりあえず一安心です。でも事故状況に関する情報提示はずいぶん遅かったですね。デマだけでなく、情報の欠乏もパニックの要因になります。何も知らされないと、人は「表沙汰にできないようなことがあるんじゃないか」と疑心暗鬼に陥りますから。事故状況が十分把握できなくて開示できないのであれば、せめて、かくかくしかじかの理由で状況が十分把握できないという情報だけでも率直に開示した方が良いんじゃないですかね。

 いやはや、何十年も前から大地震が来るぞ来るぞと言われ続けている東海地方に住む者としては、次はこっちに来るかも……という不安を強く感じます。思い起こせば阪神淡路の時もそうでしたっけね……今度こそ保存食とか準備しておいた方がよいかもしれません。自宅にも職場にも。

posted by TACO at 09:39 | 愛知 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 緊急 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする